現代に生きるファシズム(小学館新書)
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4.5 • 2件の評価
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- ¥950
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発行者による作品情報
20世紀最強の劇薬を世界は再び飲みこんだ。
効能バツグン、だからあぶない、やめられない。
20世紀の劇薬ファシズムを「正しく恐れる」ための白熱対談!
◎“産みの親”ムッソリーニは何した人?
◎ヒトラーは日本人を蔑んでいた?
◎戦前日本でファシズムが「未完」に終わった理由。
◎官僚制と折り合いがいいのはなぜ?
◎ジブリ映画『風立ちぬ』に隠されたファシズム。
◎安倍政権はファシズムなのか?
日本人にとってファシズムは、ヒトラーのナチズムだけでなく、民族主義や純血主義、全体主義、ナショナリズム、独裁などとも混同されてしまっている――佐藤優
いまの時代は石原完爾風にいえば「資本主義最終危機」。ファシズムの本当の出番はこれからだ――片山杜秀
APPLE BOOKSのレビュー
元外務省官僚で作家、論客でもある佐藤優と、「未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―」で司馬遼太郎賞を受賞した片山杜秀による対談集。一党独裁や全体主義、民族主義といったイメージで一般的に語られることの多いファシズムについて、ムッソリーニのファシズムとヒトラーのナチズムとの違い、ファシストを支える第二官僚の存在、格差を是正する福祉国家建設を目指したムッソリーニの狙いなどを紐解きながら、その本質に迫っていく。さらに、「未完のファシズム」で言及された"持たざる国"である日本に、ファシズムがまん延していく危険性を鋭く指摘。かつて未完に終わった日本型ファシズムの問題点と、現代のリベラル層にまで広がるファシズム精神にも警鐘を鳴らす。映画やドラマ、小説など話題は多岐に及ぶが、脱線した内容にもファシズムの要素が見出される点は興味深い。