生き返るマンション、死ぬマンション
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発行者による作品情報
憧れのマンション・ライフを楽しみながら、いざというときは売却して利益を手にしよう――そんな心積もりでマンションを購入した人も多いでしょう。しかし、現実はそうなりませんでした。
国の推し進めた無茶な住宅政策のおかげで、最初こそローンは楽でしたが、金利はどんどん高くなり、ローンはきつくなるばかり。さらに、不動産市況の低迷で、資産価値は落ちる一方で、築年数によっては大規模修繕や建替えをしなければ資産価値はなくなるというのですが、そんなお金はどこにもありません……。
住宅ローン破産が増え続けるなか、今、マンションを売ってもローンは残り、住むところがなくなるだけです。「下流老人」という言葉に胸をしめつけられる人も増えています。
もはや我々庶民は、苦しみ続けるしか手がないのでしょうか。
そんなことはありません! 「庶民の味方」荻原博子さんが日本各地のマンションを徹底取材して、あなたのマンションを「お宝」に変える手立てを探してきました。たとえば京都の外れの、築41年という中古物件でありながら、何と買った時より2割から5割も価値が上がったマンションがあるのです。
詳しくは本書をお読みいただくとして、ここに紹介されている手法は、どれもあなたのマンションで実現可能なものばかりです。
マンション大崩壊の時代に、一筋の光明が見える。それが本書です。
APPLE BOOKSのレビュー
家計から社会経済まで、生活に根ざした視点で語る経済ジャーナリストの荻原博子が、増加する中古マンションの老朽化や建て替え問題に鋭く切り込んでいる。築年数の古いマンションは耐震性への対処などのため、建て替えの検討が行われてもなかなか実現しないという。そうした問題解決の難しさを、実例や関連する法律などを挙げながら、丁寧かつわかりやすく記している。本書の冒頭では2000年前後に多くの人がマンション購入に踏み切った理由を、経済政策などを踏まえながら著述。その人たちがマンションの今後を検討しなければならない現実にスポットを当て、今から対策を考えるべきと警鐘を鳴らす。一方で、築40年以上のマンションが購入時より価値を高めている実例などの成功例を紹介しながら、具体的な方向を示しているのが読みどころだ。2005年に発覚した耐震偽装問題の対象となったマンションについて、決着がついて新しい生活が始まるまでの道のりの厳しさを記した章は、まるで骨太なドキュメンタリー番組を見るようで興味深い。マンションの持ち主がすべきことや考えるべきことの示唆に満ちた一冊。