甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)
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- ¥690
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発行者による作品情報
家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽くし、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!
APPLE BOOKSのレビュー
歴史やミステリーにも造詣の深い著者、山田風太郎による「忍法帖」シリーズの第1作。歴史上の陰の存在であった忍者にスポットを当てた伝奇小説の金字塔だ。諸国の動向を探るスパイが、異常な能力を持った集団へと大変身。徳川家康の命による伊賀と甲賀の10対10の忍法バトルにおいては、双方少しずつ数を減らしていく展開にカタルシスがある。そして、敵対する陣営にいながらも愛し合うロミオとジュリエット的なロマンスもあり。さらに、参戦する忍者個々の思惑や陰謀なども描かれ、最後までどちらが勝利するのか分からない、ドキドキ感満載のエンターテインメントだ。歴史考証などを一切無視しているようでいて、将軍のお世継ぎ選びの混乱や、実在する人物の描写などは史実を踏まえている。1958年に書かれたとは思えないほど読みやすく、臨場感にあふれた書きぶりは、実際にはあり得ない忍法さえも、目に見えるように感じられる。コミック、アニメ、映画化もされ、日本のみならず海外でも人気の高い、“ニンジャ”のイメージを方向付けたともいえる名作。