目が
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3.9 • 19件の評価
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発行者による作品情報
目が
背筋(せすじ)
『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)で2023年にデビュー。同作が『このホラーがすごい! 2024年版』(宝島社)国内編第1位を獲得。近著に『穢れた聖地巡礼について』 (KADOKAWA)、『口に関するアンケート』(ポプラ社)など。
APPLE BOOKSのレビュー
映画化もされたデビュー作『近畿地方のある場所について』と『口に関するアンケート』で、実在する事件記録を装ったモキュメンタリーホラーのブームを巻き起こした作家、背筋が描く連作短編のようなホラー小説。大学生のIが研究室の先輩から聞いた研究と心霊スポットが結びつく「視線」、Mが応募したホテルの一室をカメラで監視する高額バイトのてん末を描く「神様」、彼女が始めた不謹慎なポイ活「功徳」、語り手と彼女の関係性が反転する「天国」という全4章から描くのは、視線の恐怖。一見すると無関係に思えたエピソードが第4章の「天国」で一気につながる仕掛けは作者の得意とするところだが、実際にネット上で広く流布している「霊感テスト」を冒頭に置く構成も、メタな技巧に長けた作者ならではの手法だ。他人の視線を恐れる一方で、SNSで誰かに見られたがる現代人の矛盾。本作は、幽霊を「見る」ことは、幽霊に「見られている」ことの証明だと突き付ける。読者もまた物語の外側にはおらず、これを読む行為そのものが、怪異の仕組みに取り込まれていることを示唆する、極めて現代的なホラー。