眠りの航路 眠りの航路

眠りの航‪路‬

    • ¥2,400
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発行者による作品情報

父子二代の記憶へ漕ぎ出す
鮮烈な長篇デビュー作

台湾を代表する作家であり、世界的に注目を集める作家・呉明益の長篇デビュー作の待望の邦訳。のちに『自転車泥棒』や『歩道橋の魔術師』にもつながる原初の物語である。
台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登るが、その日から睡眠のリズムに異常が起きていることに気づく。睡眠の異常に悩む「ぼく」の意識は、やがて太平洋戦争末期に神奈川県の高座海軍工廠に少年工として十三歳で渡り、日本軍の戦闘機製造に従事した父・三郎の人生を追憶していく。戦後の三郎は、海軍工廠で働いた影響から難聴を患いながらも、台北に建設された中華商場で修理工として寡黙に生活を送っていた。中華商場での思い出やそこでの父の姿を振り返りながら「ぼく」は睡眠の異常の原因を探るために日本へ行くことを決意し、沈黙の下に埋もれた三郎の過去を掘り起こしていく。三郎が暮らした海軍工廠の宿舎には、勤労動員された平岡君(三島由紀夫)もいて、三郎たちにギリシア神話や自作の物語を話して聞かせるなど兄のように慕われていたが、やがて彼らは玉音放送を聴くことになるのだった――。

ジャンル
小説/文学
発売日
2021年
8月30日
言語
JA
日本語
ページ数
338
ページ
発行者
白水社
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
3.8
MB
歩道橋の魔術師 歩道橋の魔術師
2021年
自転車泥棒 自転車泥棒
2021年
複眼人 複眼人
2025年
海風クラブ 海風クラブ
2025年
雨の島 雨の島
2021年