



知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版
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5.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
「うつ」でも大丈夫だよ。
――どんなに「できること」を失っても、必ずまた一緒にやっていける。
研究者として最盛期を迎えていた30代の半ばに、重度の「うつ」で言葉の読み書きができなくなっていた著者は、いかにして知性を取り戻し、しかし大学を去ると決めたのか。能力主義の限界を超える、新しい社会の見取り図はどこにあるのか。平成の「反知性主義」を検証し、疫病の令和で孤立する人を励ます真摯な一冊。解説・東畑開人●文庫大増補版●
目 次
Prelude――「うつ」の世紀に生きるあなたへ
はじめに 黄昏がおわるとき
第1章 わたしが病気になるまで
「知識」を仕事にするまで/大学教員としてみたもの
第2章 「うつ」に関する10の誤解
誤解1 うつは「こころの風邪」である
誤解2 うつ病は「意欲がなくなる」病気である
誤解3 「うつ状態」は軽いうつ病である
誤解4 うつの人には「リラックス」をすすめる
誤解5 うつ病は「過労やストレス」が原因である
誤解6 うつ病に「なりやすい性格」がある
誤解7 若い人に「新型うつ病」が増えている
誤解8 うつ病は「遺伝する病気」である
誤解9 「カウンセリング」が重いうつに効く
誤解10 うつ病は「認知療法」でなおる
第3章 躁うつ病とはどんな病気か
私が病気に気づくまで/精神病理学と出会う/知識人は人間をどうみてきたか/躁という言語、うつという身体
Interlude――大学で いちばん大切なこと
第4章 反知性主義とのつきあいかた
知性主義という例外/ベストセラーにみる大学の黄昏/「知性主義」の落城と再生
第5章 知性が崩れゆく世界で
帝国が消えてゆく世界秩序/地域の命運を決める「帝国適性」の高低/あらたな「身体の政治」をもとめて
第6章 病気からみつけた生きかた
入院とデイケアの体験から/「能力主義」が見落としたもの/あたらしい時代を生きる
おわりに 知性とは旅のしかた
Coda1 知性の敗北あるいは「第二のルネサンス」
Coda2 大学のなかでこれ以上続いてはならないこと
Coda3 リワークと私─ブックトークがあった日々
解説 東畑開人 ゲームマスターと元歴史学者―そのワイルドな知性