破戒
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4.1 • 340件の評価
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発行者による作品情報
1906(明治39)年、7年の歳月をかけて自費出版された島崎藤村の最初の小説。言われのない差別と偏見の中で生きた主人公・瀬川丑松は、「その生い立ちと身分を隠して生きよ」と父より戒めを受けて育つ。しかし、同じ宿命を持つ解放運動家の壮絶な死に心を動かされ、ついに父の戒めを破ってしまった結果、偽善に満ちた社会に追い詰められた丑松は、テキサスへ向けと旅立っていく。被差別部落を主題としたテーマゆえに、日本自然主義文学の先駆けとなった作品と言われる。日露戦争後の文学運動の新しい旗であり、近代日本文学の頂点をなす傑作。夏目漱石は、「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」と評価した。1913(大正2)年、新潮社が買い取り公に出版された。
APPLE BOOKSのレビュー
明治時代の差別や偏見に対して、島崎藤村が自身の苦悩も投影しながら7年をかけて完成させた長編小説『破戒』。夏目漱石が「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」と評した島崎の代表作だ。舞台は明治時代後期の信州。江戸時代に存在した身分制度によって排斥された人々が住む被差別部落では、偏見やひどい差別、嫌がらせが続いていた。主人公は被差別部落出身の小学校教師、瀬川丑松。父より自分の生い立ちを隠して生きることを強いられてきた丑松だったが、解放活動家の猪子蓮太郎との出会いによって、出自を隠して生きることへの葛藤が生まれてくるのだった。しかし、学校内で丑松が被差別部落出身であるといううわさが広がり…。社会の偏見や差別に苦悩しながらも、真実を語り、自ら生きる道を切り開いていく主人公の姿に胸が熱くなる。現代社会においても、世の中にあふれる差別や偏見は解消されていない。だからこそ、100年以上も前のこの作品から学ぶべきことはとても多く、差別問題を理解する上でも先進的な視点を持つ作品として再評価されている。
カスタマーレビュー
名作です
何度読んでも心に沁みる名作です
忘れてはならない過去を淡麗な文章で訴える名作
今の人たちも忘れてはならない過去に起きていた差別とそれに乗り越えてきた人々がいた事を文章の淡麗さと迫力が際立った見事な小説でした。