神に愛されていた
-
- ¥1,900
-
- ¥1,900
発行者による作品情報
小説を書くことに翻弄される二人の女。
どうしようもなく背負ってしまう因果。
無傷ではいられないのに、
それでも私は書き続けるのだ、
という覚悟。
そのすべてを封じ込めた物語を
チレンさんは書いてしまった。
――――窪美澄(作家)
彼女は己の何もかもを削ぎ落しながら、
美しく繊細な物語を紡ぐ。
そうして生まれた作品は眩いばかりの光を放ち、
同時に深い闇を孕む。
この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ。
――――町田そのこ(作家)
窪美澄さん、町田そのこさんも激賞!!
一気読み必至!! 2023年の大本命!!
最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、
深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!!
女にだけわかる、狂気。
過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。
若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。
しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。
やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。
「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、
「それは三十年前―白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。
「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」
――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。
高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、
全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。
希望と絶望、 羨望と嫉妬……
これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。
すべてを読み終えたあと、
あなたはタイトルに託された"切ない意味"を知り、
ぎゅっと、胸を締め付けられる。
ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、
1年ぶりの書き下ろし長編小説。
満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
APPLE BOOKSのレビュー
純文学からボカロ小説、ライトノベルまで、領域を超えて活躍する木爾チレンによるヒューマンミステリー。30年前にベストセラーを生み出したが、今は自分が小説家だったことさえ忘れようとしている“私”の元に、ある日執筆を依頼するために編集者が訪れる。小説を書く権利がなく、生ける屍(しかばね)同然となった“私”は、“瓜二つというほどに、似ている”その編集者に、誰にも話したことのなかった30年前のある作家の死について語り始める。自らの才能を信じる少女が作家という夢をかなえたこと。しかし職業作家につきまとうプレッシャーにさらされる中、自分の上位互換のようなライバルの登場に嫉妬し、やがて筆を折ったこと。物語によって絶望から救われ、それ故に自らも書き手になることを志した少女。小説に懸ける思いが強いからこそ、羨望や嫉妬、すれ違いや悪意が生まれてしまう悲劇。“私”の元を訪れた編集者は、一体“誰に”似ているのか。そして“私”はなぜ書く権利がないのか。苦しくなるほど膨れ上がった感情の果てには、思いがけない結末が待っている。
カスタマーレビュー
中編ではありますが
これがもっとスケールの大きなものだったらもっともっと凄かったように思います。