私がひとりで生きてくなんて(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

離婚宣告を受けた専業主婦とクールな税理士が繰り広げる、人生やり直し物語。短大卒業後すぐに結婚し、一度も働いたことがない愛菜は、ある日突然、夫に離婚の意思を告げられる。仕事も頼る実家もない彼女は、弁護士と間違えて相談した税理士、岸本の力を借り、新しい人生を歩き出す。『あなたがしてくれなくても』のハルノ晴が描く人間ドラマ。落ちついた作画に、キレのいいセリフが満載。結婚で手にした「主人公感」とぬるま湯の幸せに寄りかかり、「ニートを養っているよう」と告げられる主婦の描写がリアルで、胸がえぐられる。スピード感のある展開と、現実を突きつける税理士、腹をくくり状況に立ち向かおうとする主人公から目が離せない。