



私の身体を生きる
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3.0 • 2件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ
私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。17人の人気小説家・美術作家・コラムニスト・漫画家・発明家が自らの「身体」と向き合い、ときにユーモラスに、ときに激しく、そしてかつてない真摯さで文章をつむぐ。「文學界」人気連載がついに単行本化。
著者は島本理生、村田沙耶香、藤野可織、西加奈子、鈴木涼美、金原ひとみ、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子の17人。
自分と自分の身体の関係を見つめる言葉が、これまで読んだことのない衝撃と共感をもたらす。
【目次】
島本理生「Better late than never」
村田沙耶香「肉体が観た奇跡」
藤野可織「「妊娠」と過ごしてきた」
西加奈子「身体に関する宣言」
鈴木涼美「汚してみたくて仕方なかった」
金原ひとみ「胸を突き刺すピンクのクローン」
千早茜「私は小さくない」
朝吹真理子「てんでばらばら」
エリイ「両乳房を露出したまま過ごす」
能町みね子「敵としての身体」
李琴峰「愛おしき痛み」
山下紘加「肉体の尊厳」
鳥飼茜「ゲームプレーヤー、かく語りき」
柴崎友香「私と私の身体のだいたい五十年」
宇佐見りん「トイレとハムレット」
藤原麻里菜「捨てる部分がない」
児玉雨子「私の三分の一なる軛(くびき)」
APPLE BOOKSのレビュー
小説家、マンガ家、芸術家など、女性として生きるさまざまな書き手が、自らの身体に関わる体験を切実に描いたリレーエッセイ『私の身体を生きる』。芥川賞作家の藤野可織が自分の人生を支配してきた妊娠からの解放を描く「『妊娠』と過ごしてきた」。女性たちから圧倒的な支持を得る小説家、西加奈子が自分の身体に入れてきたタトゥーの意味を明かす「身体に関する宣言」。現代アーティストChim↑Pomのエリイが、赤ん坊に乳を与える自分を観察しながら自らの身体を振り返る「両乳房を露出したまま過ごす」。台湾出身の二言語作家、李琴峰が傾倒するSMの世界からフェティシズムを語る「愛おしき痛み」。元芸人であり発明家の藤原麻里菜が芸人や電子工作界隈の中で生きてきて、女である身体を持つことで考えたさまざまなことを語る「捨てる部分がない」など。17人の女性たちが真摯(しんし)に自らの身体に向き合い、性被害や性的搾取、自慰やフェティシズム、妊娠出産やトランスジェンダーについて赤裸々につづる。時に苦しさがよぎり、時に共感を覚え、時に痛々しく、さまざまな思いが押し寄せる。女性読者と男性読者によって抱く感想は異なるだろう。女性の身体を生きることの難しさと、それでも自分の身体を愛そうとする彼女たちの姿が印象的だ。