私本太平記(完全版)
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Publisher Description
(私本太平記について)
「私本太平記」(しほんたいへいき)は、吉川英治の歴史小説です。一九五八年(昭和三十三年)一月から毎日新聞に連載されました。
「新・平家物語」に続く大作の長編小説です。初版単行本は毎日新聞社から刊行されました。
題材としては室町時代に成立した「太平記」に拠っています。足利尊氏の若き日から、鎌倉幕府の崩壊、建武の新政、南北朝の分立、湊川の戦いと雄渾なタッチで描いています。
以下の各帖からなっています。
第一帖あしかが帖
第二帖婆娑羅帖
第三帖みなかみ帖
第四帖帝獄帖
第五帖世の辻の帖
第六帖八荒帖
第七帖千早帖
第八帖新田帖
第九帖建武らくがき帖
第十帖風花帖
第十一帖筑紫帖
第十二帖湊川帖
第十三帖黒白帖
(吉川英治について)
吉川英治は、一八九二(明治二十五)年に神奈川県に生まれました。小学校を中退しますが独学し、一九一〇年に上京します。一九二二年に東京毎夕新聞社に入社し、「親鸞記」等を執筆して、次第に文才を認められます。「キング」誌に発表した「剣難女難」で人気を得て、「坂東侠客陣」「神洲天馬侠」の二長編で人気を不動のものにします。一九三五年に「宮本武蔵」の連載を始め、かつてない人気を得ます。
戦後は、「新平家物語」を執筆し、第一回菊池寛賞を受賞します。その後「私本太平記」「新・水滸伝」を執筆。一九六〇年には文化勲章を授章しました。一九六二年、肺がんのため死去しました。
(歴史浪漫文庫について)
歴史浪漫文庫は、日本の時代小説、歴史小説を集めた文庫です。
Customer Reviews
太平記の時代をともに生きた
この本の持つ魔力に魅入られて鎌倉時代末期から南北朝時代を足利尊氏、楠木正成、新田義貞、後醍醐天皇とともに苦しみ喜び、生き抜いた気持ちになった。この時代が如何にダイナミックな時代だったかが改めて理解された。権力に魅入られた者達は朝廷内は言うに及ばず武士、僧侶まで骨肉の争いを繰り返し、権力を奪いまたしがみついていた。人の性はときを経ても変わらず、今もって同じ風景がそこかしこに見られる。読み終わって大満足したと同時に、何か虚しさを覚えた。無常観とも言える。この本を読んで「志」は永久に語り継がれるということを学びました。