



空港にて
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3.5 • 214件の評価
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発行者による作品情報
コンビニ、居酒屋、空港――
他人と共有できないわたしだけの希望。
コンビニ、居酒屋、公園、カラオケルーム、披露宴会場、クリスマス、駅前、空港。
どこにでもある場所を舞台に語られる、男女8人の、他人とは共有できない個別の希望。
時間を凝縮させ、精密画のような描写で現代を切り取る傑作短編集。
村上龍自身が「最高の短編です」という「空港にて」の他、日本文学史に刻まれるべき全8編を収録。





APPLE BOOKSのレビュー
日常的な8つの場所でなにかしらの ”希望" を探す人々の物語を綴った村上龍による短編集「空港にて」。非常に細やかにその場の情景や登場人物の心象風景が描かれ、息苦しい現代社会の中でもがきながらもふとした瞬間にそこから抜け出す気づきを見つける各編の主人公たち、そのちょっとした時間を切り取っている。中でも、風俗で働く女性がふと抱いた夢を叶えるために一歩を踏み出そうとする表題作は、旅立ちと別れを想起させる空港という舞台と相まって、読後には心にそっと光が差し込むような感動を呼ぶ。著者自身が「最高の短編を書いた」と語ったのも頷ける一作。
カスタマーレビュー
初めて読んだ村上龍
限りなく透明に近いブルーなど有名な作品があるが、不思議なことに村上龍という作家の小説を読んだことがなかった。
今回読んだ「空港にて」が初めての作品である。
日常をさりげなく描いているが、そもそもありふれた日常の中にある非日常をピックアップした物語の連作である。
しかもそれらの非日常には、結論というものがない、または作者が示すことはない。
心に残るメッセージは、こういう人生をたどった男やら女がいた、または作者が創作したということであり、そこから汲み取るメッセージは読み手の裁量に任されている、そんな感じがした。
日常の中にあるそれぞれの人々の非日常。誰にでもそういうものを持っているのだが、それを読み手に伝える手段として小説は適しているにだろう。村上龍の経験がやはり不思議と滲み出ている感じがした。
もともと旅行雑誌向けに書かれた作品だというが、
もともと旅行雑誌向けに書かれた作品だというが、海外に行くことで解決するという構造が古臭い
誤字報告
誤字報告
×ホームしス
○ホームレス
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