立原道造詩‪集‬

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発行者による作品情報

早くから非凡な詩才を現した立原道造は、そのあまりに短い生涯を結核のため24歳で閉じました。その優しい詩風は、私たちを魅了してやみません。

「人間であるよりは、はるかに妖精に近いような雰囲気」(中村真一郎)であった立原道造は、最もミューズに愛された詩人と言っていいでしょう。

この詩集には以下の作品を収めました。


萱草に寄す

暁と夕の詩

優しき歌 Ⅰ・Ⅱ

その他の詩稿(ソネット)


或る風に寄せて


おまへのことでいつぱいだつた 西風よ

たるんだ唄のうたひやまない 雨の昼に

とざした窗のうすあかりに

さびしい思ひを噛みながら


おぼえてゐた おののきも 顫へも

あれは見知らないものたちだ……

夕ぐれごとに かがやいた方から吹いて来て

あれはもう たたまれて 心にかかつてゐる


おまへのうたつた とほい調べだ——

誰がそれを引き出すのだらう 誰が

それを忘れるのだらう……さうして


夕ぐれが夜に変るたび 雲は死に

そそがれて来るうすやみのなかに

おまへは 西風よ みんななくしてしまつた と


(古典教養文庫について)


古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。


1、古典として価値あるものだけを

これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。


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青空文庫をベースとしている場合も、適切に処理してありますので、そのまま青空文庫の物をダウンロードして読むよりも格段に読みやすくなっています。


3、美しい表紙

プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。


4、スピーディーな改版

紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。

ジャンル
小説/文学
発売日
2015年
7月18日
言語
JA
日本語
ページ数
27
ページ
発行者
古典教養文庫
販売元
Junichiro Kozuma
サイズ
516.9
KB

カスタマーレビュー

サモトラケのニャンコ

風信子荘(ヒヤシンスハウス)を夢見て

もう50年近く前の五月の連休。高校受験のため、全国の高校の国語の過去問を解いていたときが立原道造との出会いでした。
多感な思春期。小説を読んでは感動し、美しい絵画や映画を見たり、美しい音楽を聴いたりしては眠れないほどの感動が、小波のように、あるいは雷鳴のように寄せては返していく人生の中ではほんの5、6年の奇妙な時期。
そんな時期に立原道造に出会えたのは運命さえ感じました。もうずいぶん時間が過ぎ去ったが、初めての出会いは鮮明に覚えています。

草に寝て‥‥‥
 六月の或る日曜日に
それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であった 小鳥らの
‥‥

ああ、なんと詩情溢れる言葉の数々。美しさと優しさに溢れるソネットの数々。
東京帝国大学建築科卒業の建築家を偲ばせる浪漫のなかにも堅牢な構図のあるソネット。24歳までの短くも凝縮された人生。最後の言葉は「五月の風をゼリーにして食べたい」まさにアルカディアに生きた詩人です。
ちなみに、立原えりかさんの立原は立原道造の立原からのものです。

立原道造の他のブック

2015年
1975年
2017年
2019年