童子諸礼躾方往来[〈頭書絵入・童子〉諸礼躾方往来](高精細・2種‪)‬

童子諸礼躾方往来[〈頭書絵入・童子〉諸礼躾方往来](高精細・2種)
【判型】中本1冊。収録順に縦178・174粍。
【作者】十返舎一九(重田一九)作。栄松斎長喜書。
【年代等】文化12年刊。[江戸]森屋治兵衛板。
【備考】分類「往来物」。後印本2種(2冊目は口絵破損)を全冊袋綴じ展開収録(見開き図再掲)した。『童子諸礼躾方往来』は、庶民子弟用に客方食礼から給仕方作法までの礼法の基本を記した往来物。まず、礼は六芸(礼・楽・射・御・書・数)の筆頭であり、五常(仁・義・礼・智・信)にも含まれる重要な徳目であること、また、礼の意味すなわち、礼は「尊(たっとき)を敬ひ、賤を恵み、人を前にして我を後にし、慢(たかぶ)り奢らず、其分際を弁へ、柔和温順にして、多言なく、悉慎(しっちん)(悉鎮)の心怠らず、平生人に挨拶・応答、起居進退、皆、礼に依而(よって)簡別(けんべつ)(甄別)す」るものであるから、幼時よりこれを習うべきことを説く。諸礼の躾方には家々の流儀はあるが、最も基本的な事柄をいくつか紹介するとして、「客と成つた時の心得」である食礼全般(膳部・酌盃・菓子)と濃茶について述べ、後半で「中輩以下の童蒙」が熟知すべき給仕方作法(配膳、飯の再進、汁の通い、酌、客人への手水、障子・襖(ふすま)の開閉、客の出入りの給仕、貴人へ扇子・小刀の渡し方、書状の披露、上下着衣の介添え、脇差・刀の渡し方等)の基本を説く。前付に「反哺の孝・三枝の礼」「万受取渡しの図式」、頭書に「献立の書やう」「万積方之図」「目録之書法」「箱曲物書やう」「万対名之事」「万折形大体」、巻末に「四季十二月異名」等の記事を載せる。