



笑うマトリョーシカ
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4.3 • 34件の評価
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- ¥950
発行者による作品情報
若き総理候補が誰かの操り人形だったら? 人の心の闇に迫るミステリー
【TBS 系列 金曜ドラマ 放送! 2024年夏スタート】
47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
「彼が誰かの操り人形だったら?」
そう感じた女性記者が、背景を探ると、関係者の不審死、同級生の秘書や家族らの怪しい関係性が浮上し――。代議士を操ろうとする人物は誰なのか?
⇒TBS系列 金曜ドラマ 2024年夏スタート「笑うマトリョーシカ」
主演:水川あさみ / 玉山鉄二 櫻井翔
APPLE BOOKSのレビュー
マトリョーシカとは木彫り人形が入れ子状になったロシアの民芸品。外側の人形を開けると中には一回り小さな人形があり、その中にも、またその中にも人形が隠れている。人間の欲望もマトリョーシカと同じ。表面は見えていても、その奥にある本質は誰にも見えない。デビュー作『ひゃくはち』から一貫して、見えるものだけが人格ではないと訴える早見和真。政界を舞台にした『笑うマトリョーシカ』は同じ流れを汲みながら、不気味なすごみも増している。若くして官房長官に抜てきされたカリスマ政治家の清家(せいけ)と、高校時代から彼のブレーンとして陰から支えてきた政策担当秘書の鈴木。新聞記者の道上が清家の自叙伝についてインタビューに訪れた時、長き友情のほころびと力関係の転換が浮かび上がる。鈴木が高校時代に読んでいた司馬遼太郎の『坂の上の雲』と、清家が号泣した映画の原作、松本清張の『砂の器』が謎解きの鍵に。誰が清家の心を握っているのか。ミスリーディングを誘う罠に落ちかけたら、二つの名作を思い出すべし。