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発行者による作品情報

新聞、本当になくなってもいいですか?

躍進著しいIT企業インアクティブによる、東洋新聞買収宣告。マスコミの寵児となった会長の驫木は、世論を味方に、役員会を切り崩しにかかる。“ウェブファースト“を掲げ、新聞の価値を根底から揺ぶる彼らが、本当に買おうとしているものは何か? 社会部デスク安芸と部下たちの、記者魂を賭けた死闘が始まる。

『傍流の記者』で直木賞候補となった著者だから描けた、メディアの裏側の熱き攻防!

情報化社会? 何を言ってやがんだ。本当の情報は
クリックすれば出てくるもんじゃないんだ。
本城の作品には、「情報」というものの深みを教えられる。
本作は「新聞社は生き残れるか」を人間ドラマに広げた秀作だ。
――佐高 信

「朝日新聞」「産経新聞」「日経ビジネスオンライン」「サンデー毎日」「週刊朝日」「アサヒ芸能」「J-novel」ほか新聞25紙で紹介された話題沸騰の話題作!!

ジャンル
小説/文学
発売日
2020年
1月15日
言語
JA
日本語
ページ数
432
ページ
発行者
講談社
販売元
Kodansha Ltd.
サイズ
1.2
MB

カスタマーレビュー

名無しが通ります。

紙がデジタルか。隔てるものは…

本作品は様々な二項対立を描きながら物語が進行していく。若くしてエリート街道まっしぐら、新進気鋭の男と、出世に興味無し、たかが一"デスク"に過ぎない新聞記者の男。危険を厭わず戦う社員と早々に保身に走る社員。そして、紙とデジタル。

随所に、紙とデジタルに関して、登場人物の視点を借りながら、様々な考察が描かれる。同じ紙の業界に身を置く者ながら、その深い洞察に感銘を受けた。一度でも、隣人と「紙がデジタルか」を議論したことがある人には、是非、読んでほしいと思う。最後に登場人物が、筆者が出す結論も、きっと面白い、と感じられるはずだ。それは賛否を問わないものである。

また、本作品のもう一つの魅力は、冒頭に挙げた二人の男の人物像にある。私は特に前者の男に強く惹かれた訳だが、本作品では二人の視点を軸に、交互に描かれるため、必ずどちらかに惹かれるはずだ。もしかするとそれは、第三のキーパーソンの"彼"かもしれない。
業界の用語も飛び交い、少し難しく感じる場面もあるかも知れないが、とにかく魅力的な登場人物が多く、読み進めるのに苦労は無いだろう。

紙かデジタルか。

今回は新聞業界を舞台に物語が展開されたが、このテーマは印刷・出版業界全体に通ずる、根の深いものである。委託販売制度などにより、知と教育に関わるものとして、ある種のサンクチュアリーに身を置いてきたこの業界は、いつしか売る努力を忘れ、今、同一のテーマを投げかけられていると思う。かく言う私は紙派を豪語しつつ、本作はデジタルで購入し、移動の合間に読み進めた。きっとどちらの"派閥"も、自身の読者体験に置き換えて楽しんでもらえると思う。

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