



芸術はある、非芸術はない
批判的探究
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- ¥700
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発行者による作品情報
芸術は存在する。しかし、非芸術は存在しない――少なくとも、芸術の世界には存在しない。
この区別を提示することで、フレッド・フレズ(Fred Furezu)は芸術がいかに定義されるのかを問いかける。それは作品の本質的な性質によるのではなく、むしろ芸術を形成し、正当化する社会的・制度的な構造によって決定されるのではないか。
本書では、ハワード・S・ベッカー(Howard S. Becker)、アーサー・ダントー(Arthur Danto)、ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu)の理論に基づき、芸術とは孤立した現象ではなく、認識と正当化のネットワークの中で構築される集団的なものだと論じている。
なぜ、小便器がマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の署名によって芸術作品となるのか? なぜ、抽象画は何百万もの価値を持つのに、子供の絵はそうならないのか?
本書は、一部の物体が芸術の象徴へと変貌する隠されたメカニズムを探求し、芸術世界を形作る規範、象徴的な闘争、関係者たちを浮き彫りにする。『芸術は存在する、非芸術は存在しない』は、伝統と革新、芸術の自律性と商業化、中心と周縁の間で揺れ動く芸術の世界のダイナミックな緊張関係を巡る旅へと読者を誘う。
もしあなたが、「芸術とは何か? それはいかにして正当性を獲得するのか? 絶えず変化する芸術の景観を、哲学・社会学・美術史の視点からどう読み解くべきか?」と考えたことがあるなら、本書はまさにあなたのための一冊である。