蒼天の王土
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3.0 • 4件の評価
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- ¥2,000
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発行者による作品情報
久慈島(くじのしま)と呼ばれていた九州。神の力を秘めた少年・隼人は、 鬼のように強い剣の腕を持つ鷹士とともに、まだ見ぬ世界へ旅立つことを決めた。血沸き肉躍る冒険の旅が始まる!
APPLE BOOKSのレビュー
中華風ファンタジー『金椛国春秋(きんかこくしゅんじゅう)』シリーズなどで知られる、篠原悠希のデビュー作『天涯の楽土』の続編『蒼天の王土』。弥生時代後期、古代日本において久慈島(くじのしま)と呼ばれていた九州を舞台に島の覇権と神事をめぐる争いに巻き込まれた少年たちを描いた物語は、続編となる本作でついに海を越え、久慈島の東にある秋津島と呼ばれていた本州へ。久慈島の有力者たちは、冶金の原料となる銅鉄を大陸に求め、その対価として島の人々を奴隷として売り渡していた。冶金師見習いでありながら、神の力を秘めた隼人と、北久慈の覇者、長脛日子(ながはぎひこ)の子でありながら戦奴として育った鷹士。敵として出会いながらも絆を深めた2人は、奴隷を狩るための戦を止めるため、鉱脈を求めて秋津島へと旅立つ。人懐こく無鉄砲な隼人と、無口で無愛想で凄腕剣士の鷹士。はるか昔の時代の話ではあるけれど、生き生きと描写される対照的な2人の少年の姿に彼らの息吹を感じる。