



藍を継ぐ海
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4.1 • 16件の評価
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- ¥1,800
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発行者による作品情報
なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。
APPLE BOOKSのレビュー
第172回(2024年下半期)直木賞受賞作。日本の五つの地方を舞台に、科学を通してすくい上げられた奇跡の数々を描く珠玉の短編集『藍を継ぐ海』。東京大学大学院を修了した理学博士である作者ならではの視点で、科学の奥深さ、面白さを気付かせてくれる。山口県萩市の見島を舞台に、大学で地質研究に打ち込む女性と陶器の萩焼に使用する見島土を探す謎の男の物語「夢化けの島」、自然豊かな奈良県東吉野村に移住したウェブデザイナーが、絶滅したといわれるニホンオオカミに出会う「狼犬ダイアリー」、長崎県にかつて落とされた原子爆弾をテーマに、空き家に集められていた被爆石や遺品の背景を描く物語「祈りの破片」、北海道遠軽町に落ちてきた隕石から始まる歴史と天文学のロマンチックなストーリー「星隕つ駅逓」、そしてアオウミガメを育てた少女の成長を描く表題作「藍を継ぐ海」の5編を収録。どの物語も過去から現在へと受け継がれてきたものによって、一歩踏み出すための思いを後押ししてくれるような優しさと力強さにあふれている。私たちの知的好奇心を刺激し、知らない世界をたくさん見せてくれる科学の魅力に満ちた一冊。
カスタマーレビュー
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