藪の中
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4.0 • 366件の評価
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発行者による作品情報
いわゆる「王朝物」と呼ばれる芥川の作品群の最後の作品。初出は、1922(大正11)年の『新潮』1月号。舞台となるのは平安時代。殺人と強姦という事件をめぐって、4人の目撃者と3人の当事者による告白と証言で事件の真相に迫る物語。「今昔物語集」巻二十九第二十三「具妻行丹波国男 於大江山被縛語」を原典とする。証言が錯綜することによる未完結性から、「関係者の言うことが食い違うなどして真相が不明になること」を意味する「藪の中」という言葉が生まれた。1950(昭和25)年、黒澤明監督により『羅生門』のタイトルで映画化された。第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、第24回アカデミー賞で名誉賞受賞し、日本映画の存在を世界に知らしめる契機となった。
APPLE BOOKSのレビュー
説話集『今昔物語集』をモチーフにした芥川龍之介の短編小説。平安時代、山科の駅路の外れで起きた殺人事件を巡る4人の関係者と3人の当事者による告白をつづる。藪の中で1人の侍の死体が見つかった。第1発見者の木こり、前日に侍とその妻を見かけた旅法師らが、検非違使(平安時代の裁判を行う役人)の前で証言をする。さらに犯人として捕らえられた盗賊、多襄丸(たじょうまる)が自白するが、それぞれの話は少しずつ食い違っている。そして死んだ侍の霊までが巫女(みこ)の口を借りて、事の顛末(てんまつ)を語るが…。互いに矛盾する7つの証言が並べられるという構成で、結末らしい結末はない。事件の真相が明かされることはなく、いまだ読者のあいだで議論が絶えない謎めいた作品だ。そのため「真相は藪の中」という慣用句の由来にもなった。さまざまな解釈が可能であることが、永く名作として読者を引きつけてきた理由の一つだろう。黒澤明監督によって『羅生門』として映画化されるなど、数多くの芸術作品にも影響を与えている。
カスタマーレビュー
こんな話だったんだ
昔読んだと思ったけど、もっと違う話を藪の中だと思っていたかな。
古い映画で見た気もするし、ただきちんと読み返してみて
男と女、人間の本質にせまる内容だったんだと悟った。
藪の中
初めて読ませていただきました。
何が言いたいのだ
三者三様の視点から一つの事件を見る物語。
何を結局伝えたかったのだろうか。
人間の浅ましさ。死の救い。