蜜蜂と遠雷(上)
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- ¥850
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発行者による作品情報
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。
APPLE BOOKSのレビュー
第156回(2016年下半期)直木賞受賞 - 人気作家の恩田陸が、音楽を読者の頭の中で鳴らすという途方もない挑戦に臨んだ『蜜蜂と遠雷』。国際ピアノコンクールを舞台に、4人の若き天才ピアニストが火花を散らし、ともに高みを目指す。数々のクラシック名曲を取り上げ、彼らがその楽曲とどう対峙し、いかに表現したかを熱を帯びた筆致で描き切り、クラシック音楽の豊かな魅力と本質に迫る音楽小説。世代も育ってきた環境も違う4人の人生の背景を丹念に描くことで、音楽にかける壮絶な思いや、自身のスタイルを見いだしていく過程をドラマチックに語る。めくるめく展開で読者を引き込むストーリーテリングは、まさに恩田陸の真骨頂。天才故の孤独を知る者同志、時に厳しく、時に無邪気に触れ合う4人の交流風景はどこか切なく、美しい。幅広いジャンルを手掛け、多くのコアファンを抱える著者は、本作で現代を代表する作家としての存在感をいっそう強めることとなった。
カスタマーレビュー
舞台は整った。
イロモノたち風間塵、栄伝亜夜、高島明石の
活躍に期待。
上巻では
それぞれの生い立ちと音楽・演奏を交えながら、
各コンテスタントが登場してくる。
音楽を、言葉で表すことすら無粋で
語れば語るほどに、安っぽく感じられそうなものの、
その言葉を文字を、巧みに駆使し、今まさに目の前にホールに響き渡る演奏と、気迫、緊張感。
観客・審査員の息遣いすら感じられそうな表現力にグッと引き込まれました。
情景豊か
すらすらと読ませる文章と、読むだけでその時の場面がありありと思い浮かぶ書き方だった。聞こえるはずのない音がきこえるようで、聞いたことのある曲に関しても特徴を捉えて描写をしているので大変読みやすい。
感動
Apple musicでサントラをかけながら読みました。音楽が耳から離れない。再読したい一冊。