許されようとは思いません(新潮文庫)
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Publisher Description
「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた――。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた5編。(解説・池上冬樹)
Customer Reviews
Foliot1968
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ストレスがかかる話ばかりだった
最初に話して謝ればいいものの、ついつい嘘をついて自分の首を絞めてしまう状況は、人間ならば誰しも体験したことがある状況なのではないか。その描写があまりにも生々しくて、何もしていないのに動機が激しくなった。読み進めるにつれてストレスが溜まっていくのが実感できた。
他の話も、導入部分では何もわからないまま話が進んでいき、途中で違和感に気づく。こんな名前だったか?この人は何の話をしているんだ?そんな疑問を抱えたままラストでやっと腑に落ちる。そして冒頭を読み直す。その繰り返しで、まるで映像を見ているかのような鮮明な描写に引き込まれる作品だった。