誰かを呪わずにいられないこの世界で 1‪巻‬

APPLE BOOKSのレビュー

呪神と契約することで、相手に呪いをかけて人を殺す能力「呪殺」を持った殺人犯と、見えない力で人間の悪意を見透かし、それを暴く呪解探偵との駆け引きを描く「誰かを呪わずにいられないこの世界で」。主人公の冴山清春は、証拠が残らない呪殺を超能力によって解決することができる、世界に数十名しかいないとされる呪解探偵。闇杜学園高校での呪殺殺人の予告を受けた彼は生物教師として潜入すると、その知らせの通り、女子学生と教師が呪いの電話を受けた後、皆の前で無残に殺される事件が発生。さらなる犠牲者が出る中、冴山は冷静沈着な推理力と特殊な能力を使って徐々に犯人を追いつめていく...。いとも簡単に人の命を殺め、殺人ゲームを楽しむ犯人の姿は人間の裏側にある傲慢さや醜さ、恐ろしさを映し出しているかのよう。殺人をくい止めようとする冴山と、計画を実行しようとする犯人との頭脳戦が手に汗握るスリリングな物語。