貧困を救えない国 日本
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Publisher Description
日本の相対的貧困率は15.7%(2015年。相対的貧困とは、2015年現在では手取りの年間所得が一人暮らしの世帯で122万円以下、4人世帯で244万円以下の世帯を指す)。人数で言えば1900万人以上にも上るが、日本には本当の貧困なんてないと言う人もいる。そんな人にこそ伝えたい現実がある。一時的にせよ「飢えた」状態に置かれてしまい、万引きをしなければ食べ物にありつけない貧困家庭の子どもは少なくないのだ。本書では貧困問題のリアルと本質について、社会調査とデータのエキスパートと、貧困家庭の現場を徹底して見聞きしてきたライターが語り合う。貧困への無理解に対抗するための本音対談。 ●欧州はなぜ社会福祉が整備されているのか ●新築の家などの『強制出費』は罪が重い ●貧困家庭の冷蔵庫はものでいっぱい。ただし、賞味期限切れの食べ物ばかり ●地方の若者の刹那主義 ●なぜ貧困を放置してはいけないのか ●貧困対策を徹底的に考える ●政治家も官僚も、世論を恐れている
Customer Reviews
貧困の仕組みが分かりやすく説明されている
コロナ以前までは「生活困窮」とは無縁な世界に居ても、勤めていた業種や雇用形態であっという間に貧困に陥ってしまうこの世の中で、他人事ではない貧困の仕組みに強い興味がありました。
「貧」と「困」の違いと繋がりを理解し、自分の現状と対策をイメージするのにとても役立ちました。
ただ、途中の税制に触れる記述は、専門知識を有する経済学者を交えた方がより良い記述になると思いました。
「税収を増やす方法」は消費税やその他の税率を上げても比例して税収が増えるワケではないし、たとえ貧困問題と支援財源(税)が関連してたとしても、「税収を増やす事」は貧困問題とは別の問題なので、
貧困問題のスペシャリストのみで財源(税制)を語ってしまうと主張の信憑性が低くなると感じてしまいました。
ですが、貧困については「メディアでは知り得ない貧困の仕組み」が学べる良書だと思います。
このコロナの時代にこそ、この本を読んだ方が良いと感じています。貧困の仕組みを知れば、最悪の状態を回避できるヒントになるのではないかと思いました。