赤かぶ検事奮戦記 蝋人形館の殺人
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- ¥550
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発行者による作品情報
「この人、痴漢です!」車内の携帯電話を注意された腹いせに訴えた夕季子の、それが死への第一歩だった。勾留に耐え容疑を晴らした男は、名前さえ明かさずに去っていった。夕季子の血まみれの生首が発見されたのは、それから間もなくである。殺害現場の近くには男の館があり、屋根裏部屋には美貌の蝋人形たちが……。赤かぶ検事に閃いた身の毛もよだつ想像とは!?
APPLE BOOKSのレビュー
法廷ミステリーの第一人者として知られる推理作家・和久峻三が2000年に発表した「赤かぶ検事奮闘記 蝋人形館の殺人」。痴漢の冤罪事件をきっかけにはじまるバラバラ殺人事件の真相をベテラン検事が追う姿を描く。事件現場付近に建つミステリアスな洋館や、蝋人形づくりを趣味とする怪しげな容疑者など、往年の本格ミステリーを彷彿とさせるモチーフが物語を盛り上げる。一方で事件の発端となる痴漢冤罪事件に関しても、容疑者、被害者それぞれの立場の証言を挿入しながら逮捕から裁判までの流れを丁寧に描いており、昨今話題となっている冤罪というテーマについて考えるヒントともなっている。本作は、"赤かぶ検事"の愛称で親しまれる検事・柊茂が活躍する人気シリーズの一つ。1976年から続く長編シリーズの人気を支えるのが柊茂の人柄だ。ベテランらしい落ち着き払った態度、それとは裏腹のちょっと気の抜けた愛嬌のある名古屋弁。このギャップが主人公を非常に深みのあるキャラクターへと昇華させている。本作を面白く感じたなら、ぜひ他の赤かぶ検事作品も読んで欲しい。
カスタマーレビュー
断定的な
古い推理作家さんにありがちなのですが、推理が断定的になる傾向があると感じており、この作品も所々にその要素が感じられました。
あと、会話も古い言い回しや、表現で書かれていて、少々違和感を感じました。
現実感が乏しい作品
検事や刑事の言動があまりにも現実感がないように感じられる
酷い
単なる推測がいつの間にか既成の事実になり、しかもその推理というのは井戸端会議並の会話から導き出されたもの。人物描写も薄く、彼らの間で交わされる会話は繰り返しが多く言葉使いも不自然。明かされる真相は全く意外性がない。最後まで我慢して読んだが、悪書も人生の肥やしと自ら納得させるしかないか。