邪神の弁当屋さん(1)
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5.0 • 46件の評価
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発行者による作品情報
「高さを出す事、隙間を埋める事。丸い形も歪な形も、型に入れば同じ事」レイニーは一日一善をモットーにする弁当屋であり、実は謹慎中の『神』。戦争を引き起こした罰を受け、今は人間として生活している。相棒ニワトリのチュンちゃんに、歌手を夢見る同居人のダリア、弁当を買ってくれるお城勤めのライラック。様々な者と共にレイニーは生きる。かつて邪神と呼ばれた彼女が生きる理由は今のところ‥‥『明日の弁当のおかずを考える事』である。
APPLE BOOKSのレビュー
弁当店を営み、人と共に生きる神の日常を描いたファンタジー。戦争を引き起こした罰で謹慎させられ、人間として弁当屋を営む元「神」のレイニー。老いることのない彼女と人々の交流を通して「生きるとは何か」を描く注目作だ。キャラクターや背景を描くシンプルで美しいライン、絵本のような世界観は新鮮で、ページを開いた瞬間に魅了されるはず。説明過多にならないせりふも、過去の何気ないエピソードがどんどんつながっていく展開も見事。しかしそれ以上に心を打つのが、レイニーが時折見せる闇と孤独だろう。「弁当のおかずを考える」という行為は、誰かと共に生きることにつながっている。決して永遠ではない幸福をかみしめたくなる、良質な作品。