銭形平次捕物控
発行者による作品情報
内弟子・一色友衛の要望で、吹くと祟りがあると言い伝えのある秘曲「禁制の賦(ふ)」を演奏する笛の名人・春日藤左衛門だが、その最中に、姉娘・お百合が何者かに縄で絞め殺されてしまう。お百合が妹娘・あやめと間違えられて殺されたと知った銭形平次は、藤左衛門にもう一度「禁制の賦」を吹かせて、事件当時の状況をそっくり再現させるが…。「それは誰だ。親分、言って下さい。その娘の命を狙ったのは誰だ」、「あれ、――あれが下手人ですよ」。意外な犯人を突き止める銭形平次の活躍を描いた捕物小説の一編。