錢形平次捕物控 復讐鬼の姿
発行者による作品情報
『銭形平次捕物控 006 復讐鬼の姿』は明治から昭和時代にかけて活躍した小説家・作家・音楽評論家、野村胡堂の作品。磔柱(はりつけばしら)を背負った血だらけの男に追われたり、庭に人間の生首がブラ下がっていたりと、不気味な嫌がらせを受けるようになった吟味与力・笹野新三郎の家の人々。捜査を始めた岡っ引・銭形平次だが、許婚(いいなずけ)のお静と新三郎の幼い息子・新太郎を誘拐されてしまう。若くて評判の平次がどうにも気に入らない先輩の岡っ引・利助は、新三郎の妻・お国に嫉妬心のある笹野家の奉公人・お吉を捕縛してしまうが…。「何の怨(うらみ)でこんな非道なことをする――、俺を怨むのは兎も角、罪も科(とが)もない新太郎やお静をこんな目に会せて済むと思うか――」。