錦窠禽譜 正編1巻
発行者による作品情報
当館は伊藤圭介(1803-1901)の号「錦窠」(きんか)を冠した図譜(一般に錦窠図譜と総称される)を多数所蔵するが、いずれも圭介所蔵の資料を、圭介自身および孫で後継者の伊藤篤太郎(とくたろう、1865-1941)が、品名のイロハ順に整理したものである。資料は圭介自身の原画・原稿類のほか、水谷豊文・大窪昌章・吉田雀巣菴・丹波修治・神波(こうなみ)全庵・伊藤謙(ゆずる、圭介の三男)など、名古屋の博物家の会である嘗百社の人々、それ以外には江馬活堂・堀田龍之助・飯室庄左衛門などの博物家、画家では服部雪斎・清水淇川・沼田荷舟・溝口月耕(雪斎以外は尾張の人)の原画・原稿・転写図・小冊子が数多く含まれる。本資料は錦窠図譜のうちでもっとも充実しており、正編6冊と続編17冊から成る。正編は題箋に「一」~「六」とのみ記し(「正編」の文字は無い)、文字資料の転写が多い。続編は題箋に「続編‥‥一」~「続編‥‥十七」とあり、図が多い。いずれも品名のイロハ順に配列している。『外国産鳥之図』(る二-35)や、坂元慎(さか・げんしん、加賀の人)著『屋漏堂禽譜』、吉田雀巣庵著『雀巣庵禽譜』の転写図が目立つ。水鳥、とくにカモ類では、高松藩主松平頼恭編『衆禽画譜』→熊本藩主細川重賢編『遊禽図』→[不明]→『雀巣庵禽譜』→神波全庵と継写されたらしい図が数多くある。当館には、『錦窠蟹譜(かいふ)』(寄別11-7)、『錦窠禾本(かほん)譜』(寄別11-8:イネ科)、『錦窠菌譜』(寄別11-9:キノコ)、『錦窠魚譜』(寄別11-11)、『錦窠羊歯譜』(寄別11-12:シダ)、『錦窠植物図説』(寄別11-13)、『錦窠竹譜』(寄別11-14)、『錦窠灯心草科譜』(寄別11-15:イグサ科)、『錦窠穀精草科譜』(寄別11-16:ホシクサ科)、『錦窠蘭譜』(寄別11-17)も所蔵されている。このうち、『錦窠植物図説』は木類の資料集で、草類の資料集『植物図説雑纂』(本別6-9:同解題参照)と対になる著作であり、これだけはイロハ順ではなく、科別になっている。ただし、当館蔵は11冊に過ぎず、名古屋大学図書館には144冊がある。:『参考書誌研究』59号参照(磯野直秀)(国立国会図書館デジタルコレクション解題より)
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タイトルヨミ:キンカ キンフ 1
著者標目:伊藤圭介, 1803-1901
著者ヨミ:イトウケイスケ
シリーズ名ヨミ:キンカ キンフ(コクリツコッカイトショカンゾウショ)
出版者:写
種類:動物