集団左遷 新装版
-
-
3.0 • 36件の評価
-
-
- ¥850
-
- ¥850
発行者による作品情報
大量解雇を目的に三有不動産の横山副社長は「首都圏特販部」を設置した。横山に睨まれていた篠田洋は、実現不可能な計画と五〇名の問題社員を押しつけられる。無能の烙印を押され、他部署の執拗な嫌がらせを受けながらも、必死に光明を見出そうとする部員たちだが、会社は更なる理不尽を強要する。四面楚歌の篠田たちは、生き残りを懸け、乾坤一擲の大勝負に出た!
APPLE BOOKSのレビュー
1994年に映画化され、2019年にはテレビドラマ化もされたビジネス小説『集団左遷 新装版』。銀行員からサラリーマンを経て作家となった江波戸哲夫が、バブル崩壊後の大量リストラにさらされたサラリーマンたちの奮闘を描く。大手不動産会社が新設した首都圏特販部。本部長となった篠田洋は、実現不可能なノルマを課せられるが、部員たちは各部署で嫌われ者やお荷物とされた問題社員たちばかり。特販部の実態は、ノルマ未達成を理由に大量解雇をするための左遷部署だった。猶予1年の中、篠田は共に立ち上がった部員たちとノルマ達成を目指す。不動産会社という設定は、発表された1993年当時の世相を反映したもの。会社の都合で人生を左右されるサラリーマンの悲哀を描きながら、バブル期に全盛を誇った不動産業の衰退ぶりを浮き彫りにしている。