青が破れる
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2.8 • 4件の評価
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- ¥740
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発行者による作品情報
その冬、おれの身近で三人の大切なひとが死んだ――究極のボクシング小説!第53回文藝賞受賞のデビュー作。尾崎世界観氏との対談、マキヒロチ氏によるマンガ「青が破れる」を併録。
APPLE BOOKSのレビュー
数々の人気作家を送り出している文藝賞を2016年に受賞した町屋良平のデビュー作。主人公の秋吉はボクサー志望の若者。アルバイトをしながらボクシングジムに通っているが、自身の才能のなさを感じている。親友のハルオ、恋人で入院中のとう子、後輩ボクサーの梅生、そして不倫関係にある年上の人妻、夏澄。彼らと過ごしたひと夏に体感する、虚無的な死と穏やかな生が綴られる。秋吉は短期間に親しい人の複数の死に直面する。その波立つ胸中を激することのない静かな表現で描き出すことで、彼のやるせなさや切なさが際立ち、胸に迫ってくる。独特な擬音語や少し哲学的にも感じる登場人物の言葉遣いが、現代風の口語体の中で適度な引っ掛かりを作り、じっくり読ませる工夫になっているのも興味深い。思い通りにならない人生の中にある、未来への期待感を漂わせた終盤も秀逸。表題作の他、書き下ろしの「脱皮ボーイ」「読書」も収録。新人作家らしい意欲に満ちた、独創性のある表現を読み比べるのも楽しい。
カスタマーレビュー
c0d0a
、
ハマるひとにはハマる
綺麗なひらがなを使う。
村上好きは好きになりそうな印象。
行間を読むといろんな風景がでてきて、薄いシャーペンで書いたラフ画みたいな小説でした。
ただし、2個目と3個目の話は読みづらいだけで美しくもなく、面白くなかった。
早く本おわんねーかなーと思わせてしまったらダメです。