風の果て(上)
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Publisher Description
首席家老・桑山又左衛門の元に、ある日、恥知る気あらば決闘に応じよ、と書かれた果たし状が届く。差出人は数十年来の友・野瀬市之丞。妻をめとらず、婿にもいかず、ついに髪に霜を置くに至った野瀬家の“厄介叔父”だ。少年時代、片貝道場で剣の腕前を競い合い、比丘尼町の飲み屋で杯を酌み交わした。あの頃は、たがいに婿入り先すら心許ない実家の冷や飯喰いだった。しかし歳月は流れ、いまや二人の運命は大きく違ってしまった。武家小説の一大傑作!