飲食店失敗しない値上げの法則25
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発行者による作品情報
■儲けたければ、基本に立ち返る
飲食店の売上を算出する基本公式は、皆さんもご存じの通り「客数×客単価」です。
つまり、「圧倒的に客数を集めるか、圧倒的に販売し切るか」で売り上げを獲得するのが
飲食ビジネスであるということです。
このいずれか(または両方)を達成できれなければ、
残念ながら継続をあきらめるしかありません。
事実「販売不振」による倒産は飲食店の廃業理由の8割超となっています。
■ここで、客数と客単価について改めて考えてみましょう。
まず「客数を集める」には、「魅力的なお店」であることが必要です。
そうでなければ、わざわざお客様は来店してくれません。
そして、「魅力的なお店」であれば、自然とお客様はたくさん集まりますし、
食事を楽しんでいただけるので消費量は増えます(客単価が上がります)。
つまり、商売繁盛の出発点は「魅力的なお店」作りということになります。
■「このお店に行ってみたい」と思わせるには?
それには、まず
「①圧倒的にコストパフォーマンスが高い魅力的な商品を提供する」
「②商品の魅力をビジュアルと文字情報でしっかり伝える」
の2つが必要です。
ここで言う「コストパフォーマンスが高い」は、「安く売る」ということではありません。
「商品の価値が高いにもかかわらず、価格はさほど高くない、それどころか、安く感じる」ということです。
最初にくるのは価格ではなく「商品価値の高さ」です。
であれば、真っ先に取り組むべきは、他店にはない、
自店独自の「圧倒的な高付加価値商品」を開発することです。
そして、商品の魅力をビジュアルと文字情報(開発ストーリーなど)とともに発信し、
適正価格(原価にお店の利益をしっかり乗せた価格)で販売します。
そうすることで、あなたのお店は「とても魅力的で価値の高い商品をお手ごろな価格で提供する、
圧倒的にコストパフォーマンスの高いお店」として、お客様に認知されるのです。
■さて、経営に失敗するお店のほとんどは、コストパフォーマンスを誤解しています。
これでは単なる安売りです。
安さ目当てのお客さまがわずかに増えるかもしれませんが、
全体の売上・利益の両方が減ります。すると、お店の経営は苦しくなるに決まっています。
そうではなく、しっかり原価をかけて商品の価値を徹底的に高め、
それにともない値段も上げて、しっかりお店の売上・利益もしっかり確保するのです。
たとえ値段が上がっても、それ以上に商品の魅力と価値が高くて、
お客様が満足・納得してくだされば、
「コストパフォーマンスが高い」「SNSでシェアしたい」「また来たい」と思われるのです。
つまり、商品価値とお店の魅力を圧倒的に高め、それに見合う価格設定にすることで
「集客増」と「客単価アップ」を実現する―これが現代の飲食店の繁盛の法則です。
■本書では、飲食店経営者の皆さんが抱くこうした疑問に対する答えを、
飲食業界歴40年超・繁盛店500店超をプロデュースした須田光彦さんが、
「25個の法則」という形で解説します。