



黄
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4.0 • 1件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
島田荘司推理小説賞史上最高傑作と大評判!
聡明な盲目の少年がインターポール捜査員とともに、凄惨な〈幼児目潰し事件〉の真相に迫る!
中国の孤児院で育ち、裕福なドイツ人夫婦の養子となった盲目の少年、阿大(ドイツ名ベンヤミン)。
彼は、黄土高原で発生した六歳児が木の枝で両目をくり抜かれる”男児眼球摘出事件”に強い関心を持つ。凄惨な事件のなぜ起こったのか?犯人は?お目付け役のインターポール捜査員・温幼蝶と母国へ旅立ったベンヤミンがたどり着いた真相とは——。
「この作ほどこちらに多くを考えさせ、また創作執筆時にも劣らない、さまざまなストーリーをこちらの脳裏に想起させた候補作は過去になかった」(島田荘司)と激賞された新たな探偵ミステリーがここに誕生!
<島田荘司推理小説賞>
2009年に創立された中国語で書かれた未発表の本格ミステリー長篇を募る文学賞。応募作は台湾、香港、中国、マレーシア、イタリアなど世界各国から寄せられる。
APPLE BOOKSのレビュー
中国語で書かれた未公開のミステリー小説を対象に、毎年開催されている島田荘司推理小説賞の第4回受賞作「黄」。中国の孤児院で育った盲目の阿大(アーダイ)は、裕福なドイツ人夫婦に引き取られ、ベンヤミンと名づけられて成長した。中国で6歳の少年が木の枝で両目をくり抜かれるという猟奇的な事件が発生し、ベンヤミンは失明した少年を励まそうと中国行きを決意する。お目付け役となったインターポールの女性捜査官・温幼蝶(ウェンヨウディエ)に反発しながらも、ベンヤミンは事件の起きた黄土高原へと向かう。それは目が見えない自分のルーツを探す旅でもあった。著者の雷鈞(らいきん)は、前回の本賞でも最終選考に残った俊才。その巧みな叙述トリックや二重三重にはりめぐらされた伏線、そしてラストに待ち受ける衝撃の結末にはただただ脱帽。一人の青年の成長譚としても秀逸で、爽快な読後感を持つミステリーに仕上がっている。