15時17分、パリ行き
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4.1 • 7件の評価
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- ¥950
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発行者による作品情報
2015年8月21日、15時17分にアムステルダム駅を出発した高速列車はパリに向かっていた。だがその車内に、イスラム過激派の男が重武装して現われた。乗り合わせたアメリカ人の3人の若者は異変に気づき、即座に行動を起こす。彼らはいかにして500名超の乗客を救ったのか? 衝撃的な事件の全貌と、やがて英雄となる普通の若者の偶然に満ちた人生を語る傑作ノンフィクション。クリント・イーストウッド監督映画原作
APPLE BOOKSのレビュー
アムステルダムからパリに向かった国際高速列車タリスの車内で起こった銃乱射事件にまつわる青年たちの活躍を記し、映画化もされた「15時17分、パリ行き」。カリフォルニア州立大生のアンソニー・サドラーと、米国空軍兵のスペンサー・ストーン、オレゴン州軍特技兵のアレク・スカラトスの3人の若者は幼なじみ。2015年8月21日、初めてのヨーロッパ旅行でタリスに乗車したとき、ライフルやナイフなどで武装したモロッコ国籍の男が銃を乱射する場面に遭遇する。本書では彼らの出会いやそれぞれの生い立ちを描き、また犯人の男の人生も丁寧に追っている。その中で英雄的な行動を成し遂げたアメリカ人3人も、テロを企てたモロッコ人もごく普通の青年であることを示しており、銃を向けた側の行き場のない憤りにもスポットを当てた、単なるテロ批判にとどまらない冷静な視点が際立つ。車内での状況は、3人それぞれの視点で描写され、行き詰まる現場の空気感がひしひしと伝わってくる。事件後のオバマ大統領との面談やフランスでの受勲などに関してはユーモアも交え、車内での一部始終との対比的な記述も印象的。読み応えのあるノンフィクション。