



1973年のピンボール
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4.2 • 95件の評価
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- ¥550
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発行者による作品情報
「電灯のスイッチを切って扉を後ろ手に閉めるまでの長い時間、僕は後ろを振り向かなかった。一度も振り向かなかった」東京で友人と小さな翻訳事務所を経営する〈僕〉と、大学をやめ故郷の街で長い時間を過ごす〈鼠〉。二人は痛みを抱えながらも、それぞれの儀式で青春に別れを告げる。『風の歌を聴け』から3年後、ひとつの季節の終焉と始まりの予感。「初期三部作」第二作。
APPLE BOOKSのレビュー
世界中を魅了し続ける小説家、村上春樹のみずみずしい筆致がほとばしる2作目の長編小説「1973年のピンボール」。僕と鼠を主人公とした初期3部作の2作目として前作「風の歌を聴け」の世界を舞台としながらも、完全に独立した物語が展開する。交互に配置された章立てで描かれる"僕"と"鼠"の物語はパラレルに進行し、交わることのない2人の孤独な世界を浮かび上がらせていく。双子の女の子と生活を共にしている僕は、かつての恋人であった直子の死を後追いで知り、その喪失感を埋めるかのように、かつてジェイズ・バーに置かれていた"スペースシップ"という名のピンボールを探し始めた。そして、廃冷凍倉庫に保管されていた78台のピンボールの中からスペースシップを見つけた僕は、そのピンボールと静かに対話を始める。自身の喪失感と向き合い、出口にたどり着くことはできるのか?芥川賞の候補作にもなり、後の村上春樹作品に通底する特有のスタイルやモチーフが醸成される、その先駆けとなった名作。
カスタマーレビュー
ヌード最高
、
完成度の高い小説
村上春樹の初期の作品を改めて読むと、その完成度の高さに感心させられる。
特に風景描写が素晴らしい。またピンボールや音楽の知識の深さにも驚いてしまう。