ARMS (22‪)‬

アニメでは描けなかった本当の最終回

博士やホワイトをパパと「呼ばされて」地底から自由になりたかったアリスの欲しかったものは「ママ」と、このたった二文字を周到にふせながらの最終巻。アニメでは連載中だった為に4部を改編して無理矢理終わらせたが、原作は週刊誌連載としてはかなりキレイに終了した。
この物語でもっとも救われたのはアルとキャロルの2人の子供達だろう。他のキャラクターは巌の言う所の「帰る場所」があるが、彼らには無かった。かたや天才大学教授として、もう1人は男所帯をきりもりこなす多忙な女子大生と、能力を活かしたものと封印したものの違いはあるが実験体としての剥奪されていた人権も手に入れ普通の生活という幸せを手に入れている。
主人公達はかなり後半戦まで青臭く、博士の「小娘の尻を追いかけている」に全て表されている様に、他のキャラクターからすれば相当に恵まれている。

この配信で惜しいのは後に描かれたとされる追加シーンがないこと。あくまでこのブックの方針は「連載当初を尊重」なのでなんとも言いにくい所ですが勿体ないということで★-1。