ダブル・ミステリ
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5.0 • 1件の評価
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- ¥2,000
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発行者による作品情報
直球のフーダニットとトリッキーなサスペンス、二本の中編を収録。驚愕の結末は、巻末に──。数々の不可能犯罪を解決してきた弁護士・森江春策。彼は幻の映画の上映会に招かれ、潮が満ちると孤島と化す地・天眼峡に建つホテル《月琴亭》にやってきた。しかしそこに集った他の四人は、それぞれ異なる理由で呼び出されたことが判明する。クローズド・サークルで起きた殺人事件に名探偵が挑む直球のフーダニット!(「月琴亭の殺人」)磯島健太が死んだ。いい加減なのに憎めない、わたしの元恋人が――。頼りない恋人を見切ってシングルマザーという選択肢を選んだライターの“わたし”は、妊婦が電車内でトラブルに見舞われて急死した事件を取材中、奇妙な違和感を覚えた。被害者女性の周辺では事故死が相次いでいるのだ。この不気味な事実に着目したわたしだが……。(「ノンシリアル・キラー」)2つのミステリが重なるとき、世界は反転する──芦辺拓、一世一代の大仕掛け!※収録しております「ノンシリアル・キラー」「解決編」は、電子書籍版収録にあたり、紙書籍版と仕様が異なる部分がございます。
APPLE BOOKSのレビュー
デビュー作「殺人喜劇の13人」で第1回鮎川哲也賞を受賞。毎回、奇想天外なトリックで読者を引きつける作家、芦辺拓による「ダブル・ミステリ 月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラー」。2編のミステリーが織りなす、巧みな仕掛けが大きな魅力となっている。一作は孤島に立つホテル月琴亭(げっきんてい)で発生した殺人事件に、芦辺作品ではお馴染みとなる探偵・森江春策が挑む「月琴亭の殺人」。もう一作は連続で起きた不可解な死を追う女性ジャーナリストの手記で綴られる「ノンシリアル・キラー」。一方に登場した判事・千々岩征威(ちぢいわまさたけ)が他方のエピソードにも現れ、重要な出来事と結び付くことで、関係のないように見えた2つの事件の接点が次々と判明していく。両作を読み終えた先の"解決編"で待ち受ける新事実とカタルシスは、上質な推理小説ならではの醍醐味。どちらの話から入っても同じ驚きが得られる物語構成や、複雑に張り巡らされた伏線を回収しながら大団円まで導く著者の力量に圧倒される。