友を待つ
-
- ¥1,800
-
- ¥1,800
発行者による作品情報
「親しき仲にもスキャンダル」を信条とし、取材対象者へ独特の感性で切り込み数々のスクープを抜きまくってきた伝説の週刊誌記者が、女性宅への不法侵入と窃盗の容疑で逮捕された。窃盗容疑は否認するなか、取り調べ中に語った「友を待つ」という一言の真意とはなんなのか? その言葉の意味と彼の行動の目的を調べ始めた後輩記者たちは、十年前のある官僚との因縁に原因があることに気づく――。吉川英治文学新人賞受賞の『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、傑作記者ミステリ。
APPLE BOOKSのレビュー
新聞記者の経歴を持つ作家・本城雅人の「友を待つ」。週刊誌の記者・新見正義はある日、退職した先輩記者の瓦間が逮捕されたという知らせを受ける。容疑に疑問を感じ、独自に調査を始める新見。瓦間の相棒であった元記者らも加わり、それぞれが取材の才を発揮しながら、果敢に真相へと迫っていく。週刊誌記者と警察の火花を散らすようなせめぎ合い、対象に限界まで迫り寄る取材シーン、記者同士が熱く意見を戦わせる場面などに、著者自身の経験と知識を生かした迫真の筆致が光る。過去や家族の状況も加味して人間像を浮かび上がらせるなど、登場人物の造形も秀逸。一人一人の言動に人生が透けて見え、調査に取り組む彼らの内なる思いが切実さを湛えて迫ってくる。言葉を多く交わさずとも互いを理解し、支え合うチームワークの描写も小気味よい。時に冷静沈着に、時に大胆に、粘り強く突き進む記者たちの真相究明への熱情を存分に描いた快作。