いのちの停車場
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- ¥750
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発行者による作品情報
東京の救命救急センターで働いていた、六十二歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。命を送る現場は戸惑う事ばかりだが、老老介護、四肢麻痺のIT社長、小児癌の少女......様々な涙や喜びを通して在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、脳卒中後疼痛に苦しむ父親から積極的安楽死を強く望まれ......。
APPLE BOOKSのレビュー
終末期医療専門病院の現役医師でありながら、2018年のデビュー作『サイレント・ブレス 看取りのカルテ』で注目された南杏子。人々の最期の姿をおだやかな筆致で描き、患者たちと主人公の医師が死を受け入れる物語で涙を誘った。4作目となる今作はやわらかな雰囲気はそのままに、終末期医療における延命治療への疑問と、積極的安楽死の選択に言及する意欲作に。東京の大学病院に長年勤めてきた救急医の咲和子は、故郷の金沢で「まほろば診療所」の訪問診療医として再スタートを切る。知識と技術を総動員する救急救命から、積極的な治療を行わない訪問診療への転換に戸惑いながら、咲和子はさまざまな事情を抱える5人の患者の命と向き合う。爽やかなエピソードの最後を締めくくるのは、彼女が尊敬する元医師の父との別れ。自分の最期を選びたい父と、医師としての倫理と家族の情に揺れる咲和子。多くの人を看取った経験と、専門知識に裏打ちされた生と死の物語は、死への恐怖を和らげてくれる。正解のないラストは自分の人生の終え方を考えるきっかけになるだろう。
カスタマーレビュー
読書後感想。
封切り館で、映画を観て、みたいと、思います。
故郷とは、仕事のプロとは、どう生きるか死ぬか考えさせた作品
南杏子さんの本は今回初めて。途中までは新しい様な内容では無いので、ありきたりの自宅療養の医療ドラマだなと思って読んでましたが、最後想像してなかった方向に展開し、生きる意味、喜び、自分の人生をどう生きるか、仕事のプロとしてどう生きるか、人はなぜ故郷に戻るのか、色々考えさせられました。金沢には行った事がありませんが、土地の状況が詳しく描かれており、行ってみたくなりました。南杏子さんの作品はまた読んでみたいです。カバーのイラストとタイトルで損してる様に思えます。この辺を改善してほしいです。