滑らかな虹 下
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発行者による作品情報
五年三組の担任教師・柿埼の提案した『ニンテイ』ゲームはクラスの子どもたちの心を捉え、学校生活に欠かせないレクリエーションとして順調に機能しているように見えた。引っ込み思案で『ニンテイ』を忌避していた百音も、親友となった香住の励ましを得て、夏休みの自然教室や秋の運動会を乗り越え、クラスメイトとの距離を縮めて徐々に自分の世界を広げてゆく。この穏やかな日々がずっと続くはずだった――三年半ののち百音は思い返す。最後の〈ゲーム〉が行なわれたあの日、夜の校舎で何が起きたかを。圧倒的筆力で描ききった渾身の傑作長編。/解説=瀧井朝世