君の彼方、見えない星
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3.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
ミッションに失敗し、宇宙空間に放り出された恋人同士。残された空気は、あと90分ぶん――“ゼロ・グラビティ”下の愛を描く物語
APPLE BOOKSのレビュー
近未来を舞台にしたSFテイストの恋愛小説「君の彼方、見えない星」。主人公は、特殊なミッションを帯び、宇宙に滞在する一組の男女。事故で宇宙空間に投げ出された彼らが、酸素残量がわずかな極限状態で生還を目指しながら、出会いやこれまでの歩みを回想する。彼らの故郷は、戦争が起こらないように人々のライフスタイルが徹底的に管理された社会。理想郷と呼ばれながらも、自由な婚姻や居住が制限される中で、制度を超えて強く惹かれ合う純度の高い恋愛ドラマが読者を魅了する。本作を特色付けているのが、SF作品ならではの奇抜なギミック。時間軸を巧みに操作した物語終盤の驚きの展開が、2人の恋の切なさをより美しく際立たせている。親密な関係性が人同士の争いにつながるという考えのもと、人々を強制的に転々とさせる設定を用いるなど、物語の随所に散りばめられたアイデアもユニーク。難解なフレーズや用語は出てこないので、SF入門編としてもおすすめしたい作品。