筆跡はお見とおし
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5.0 • 1件の評価
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- ¥1,300
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発行者による作品情報
町中に広がる落書き「タギング」と、度重なる子どもの自殺の捜査が進むうちに、事態は英介自身の10年前のトラウマへと繋がってゆく。超エリート高校に広がるスクール・カーストの闇とは!
APPLE BOOKSのレビュー
青春ミステリーの旗手として支持を得ている山下貴光による小説「筆跡はお見とおし」は、大学1年生の末永真子が、ひょんなことから図子(ずし)探偵事務所でアルバイトを始めるところから物語が始まる。会話を中心にしたテンポの良さが著者の持ち味の一つで、今回も真子が語り手となり、ボサボサ頭の冴えない探偵・図子英介と幼なじみで超イケメンの東長政、強面の男性をボディーガードのように連れている英介の祖母など、個性的な登場人物がそろう。ある日、繁盛している気配のない探偵事務所に商店街のシャッターに文字を描くタギング犯捜しの依頼が持ち込まれる。英介は意外にも的確な筆跡鑑定や地理的プロファイリングで次の犯行場所を絞り込んでいくが、この詳しい筆跡鑑定の描写がストーリーに説得力を与えている。彼らがたどり着いたのは英介と長政の母校、しかも超エリートが集まる特進クラス。軽やかな語り口ながら、スクール・カーストの闇に切り込む筆致の鋭さは読みごたえ十分。タギング犯を操る真犯人とその深い懊悩は、やがて英介の古傷の真実をも浮かび上がらせる。さりげなく散りばめた伏線が終盤で見事に収束し、晴れやかな読後感も魅力の一冊。