東京プリズン
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3.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
十六歳のマリが挑む現代の「東京裁判」とは?少女の目から今もなおこの国に続く「戦後」の正体に迫り、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞受賞。読書界の話題を独占し“文学史的事件”とまで呼ばれた名作!
APPLE BOOKSのレビュー
小説のほか評論なども手掛ける赤坂真理の「東京プリズン」。主人公は日本人のマリ。1980年、16歳でアメリカに留学し、環境や文化の違いに戸惑い、高校生活にも周りの人々にも違和感を抱えているが、進級のために日本の戦争責任についてディベートをしなければならなくなる。物語はアメリカに留学中の過去と、40代になり東京に住んでいる現代が交錯し、また現実世界を離れた幻想の中で進む。これらを複層的に重ね、主人公が自分自身の内側から湧き上がる声に呼応するように、日本や天皇制などについて次第に理解を深めていく様子を見せる手法は、人がいかに物事に気付いていくかという過程を目の当たりにするような巧みさがある。日本語で理解していた事柄を英語に置き換えるとまったく違った側面が見えてくるというマリの戸惑いや気付きは、そのまま読み手への問題提起ともいえる。第二次世界大戦後に行われた東京裁判が本作の大きな鍵になっており、物語終盤、迫力ある筆致で描く高校生によるディベートシーンは圧巻。戦後日本のあり方などについて考えさせられる力作の長編小説。