君が面会に来たあとで
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5.0 • 1件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
どこからが虚構で、どこからが真実?
言葉の売人、Z李が紡ぐ30のショートショート
立ちんぼから裏スロ店員、ホームレスにキャバ嬢ホスト、公務員からヤクザ、客引きのナイジェリア人にゴミ置き場から飛び出したネズミまで。
繁華街で蠢く人々の日常を多彩なタッチで描く、東京拘置所差し入れ本ランキング上位確定の暇つぶし短編集!
◎歌舞伎町・半地下の裏カジノは、要人たちも通い詰める“闇の社交場”(『東九歌舞伎町タワーアンダーグラウンド』)
◎恐怖の“勘繰り”地獄。覚醒剤中毒者の頭の中(『日曜日ダルク十六時』)
◎年間2000件の捜索願。歌舞伎町を取り巻く闇の正体とは(『チャイエスの客が消えた』)
◎新宿の路地裏のペットショップ。裏口では“人間”を売っている?(『ペットショップの裏口』)
◎闇金で借りた金を“競馬”で返済しようとしたら……(『ゼウスサンダーが駆けた日』)
◎大麻リキッドを売りまくって、人生終わるかと思った(『手押し魔人BOO』)
◎そっくりの容姿の“ホス狂い”ばかりが襲われる、奇妙な連続殺人事件(『ホス狂い殺人事件』)
◎不法滞在者が帰れない理由。パスポートを返さない“紹介者”の闇(『最後のレバーオン』)
◎500円で“予想”売ります。元競艇選手のセカンドキャリア(『ボートレーサーだったタカちゃん』)
APPLE BOOKSのレビュー
歌舞伎町界隈に生きる欲にまみれた人間模様を描いた超短編小説集。著者はダークユーモア満載のSNS投稿が人気のアウトロー系インフルエンサーのZ李。眠らない街、歌舞伎町を舞台にした前作『飛鳥クリニックは今日も雨』ではどこまでが体験談でどこからがフィクションなのか定かでない危険なエピソードでファンを獲得した。その後、2024年11月に住居侵入容疑で逮捕され、翌月に不起訴処分で釈放に。留置場というデジタルデトックスの中で書いた作品が収録されているのが本作『君が面会に来たあとで』だ。ショートショートの名手、星新一の大ファンと公言するだけあって、一寸先は闇のスリリングな世界に生きる人々の狂想曲が、テンポのいい会話体で描かれている。アンダーグラウンドな世界で繰り広げられる愛、SF、猫、虚栄心、ギャンブルなどをテーマにしたごった煮の30編の中で異彩を放つのは、表題作。愚かさ故に失った恋人を顧みるセンチメンタルな一編だ。逮捕、釈放などの経験を通して、思うところがあったであろう著者と、失ったものの大きさをかみしめる主人公が重なる。危うさと自虐的なユーモアに満ちたこの作品は、歌舞伎町界隈の空気を凝縮している。