NOVA1【分冊版】08黎明コンビニ血祭り実話SP
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発行者による作品情報
テキストによる現実改変が炸裂し、スプラッタテイスト満点の戦闘が展開される本格SF短編。
SF界屈指の翻訳者/書評家・大森望の責任編集でお届けするオリジナル日本SFアンソロジー『NOVA1』(全11編)の分冊版。「黎明コンビニ血祭り実話SP」(解説:大森望)に併せて、「序」(大森望)収録。
【作品冒頭】
夜明けが近い。
カワタは子供の死を看取るかのような表情で、棚に商品を並べていた。憂鬱だった。深夜のコンビニバイト歴が長い彼は、経験としてこの時間帯に来る客がろくでもない人間ばかりであることを知っていた。
店内にいる客をそれとなく観察する。本来この時間帯は客などほとんどいないのだ。客がいなければ、店長もいないこの時間、休憩し放題だ。普通夜勤には防犯の意味もあって、二人で勤務させる店が多い。だがこの店のオーナーは、どうせ暇なのだからと夜勤は一人に定めていた。カワタが夜勤のバイトを続けているのは、一人で気楽に仕事が出来る、いや、休憩が出来るからだ。だが客が一人でもいれば休憩など出来ない。だからこの時間に来て長居する客を、カワタは本気で呪う。この時間に長時間立ち読みなどをされると、発作的に後ろから絞め殺してしまいそうになる。