pupa 新装版 1

一見グロテスクな内容の中に見える、様々な生きる物達の、愛の形。

読みずらく、長いレビューで申し訳ありません。ですが、最後まで読み終え、余りにもの内容と、絵の美しさに心底感動させられ、レビューを書かずには居られませんでした。
最初、私は試し読みのつもりで一巻を買ってみました。表紙の鮮やかで、美術品の様で非常に綺麗なタッチと、それとは対照的で、衝撃的な内容に惹かれた為です。ですが、気がつけばあれよあれよで読み進め、最終巻を読み終えていました。
これから作品を買う人がレビューを読んでから買う可能性もある為、ネタバレにならない程度に感想を書きますと、圧巻の一言です。
一巻、二巻、三巻、それぞれでそれぞれの展開があり、ありきたりな言葉ではありますが、とにかく先が読みたい、そう思える様な話の内容と、話のテンポです。そして、グロテスクながらも美しい、そんな絵が話の雰囲気を更に盛り上げており、気がついたら世界にどっぷりと浸かりこんでしまっていました。
物語の鍵を握る妹と、その兄。そしてそれを取り巻く様々な人々。それぞれが不器用なりに、それぞれの思う『愛』の為に、時に命すら捧げる。そこには、絵だけではなく、内容としての美もあったように私は感じました。
この本に少しでも興味を持ち、読んでみようと思ったのならば、私はとりあえず読むことを勧めます。一部ショッキングな展開やシーンもあり、万人受けはしないかも知れませんが、それでも読んでみる価値のある作品だと思います。個人的には星5ではなく、星10くらいあっても足らないくらいです。
あと、とにかく妹の夢が可愛いです。それだけで作品の価値が数レベル上がっても良いくらい。それ故に、最後の展開には少し泣かされましたが……
長々と書きましたが、レビューはこれで最後になります。素晴らしい作品をありがとうございました。