【朗読音声付】源氏物語 二 帚木(ははきぎ)
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Publisher Description
本書は文章のほかに、プロのナレーターによる朗読音声でもお楽しみいただけます。
源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、
その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、
日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
源氏物語 第二帖 帚木(ははきぎ)
五月雨の夕刻、一七歳になった光源氏は、
頭中将(とうのちゅうじょう)、左馬頭(さまのかみ)、
藤式部丞(とうしきぶのじょう)がとともに、
四人で女性についての議論に花を咲かせていた。
(俗に『雨夜の品定め』と呼ばれる有名な場面である)
それぞれが自分の体験や過去の女性を語る中、頭中将は、
女性は「中の品」(中流)が一番良いと言い、子どもを設けながらも
正妻の嫌がらせによって姿を消してしまった内縁の妻の話をした。
話を聞いていた光源氏は、中流の女性に興味を持ちながらも、
やはり藤壺のことを思っていたが、その翌日、方違えのために訪れた
紀伊守の屋敷で、伊予介の後妻である空蝉(うつせみ ※)と出会い、興味を持つ。
※中流階級の女性。「帚木」ではこの名前は語られず、
明らかになるのは第三帖「空蝉」の文中。
そしてその夜、抵抗する空蝉と強引に一夜を共にする。
その後も、光源氏は空蝉に言い寄るが、頑なに拒否をする空蝉の
決意は固く、そうして光源氏は人生の悲しさを知ることとなる。