



十年
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Publisher Description
当時から秀才ぶりを発揮し、全教科で満点を取ったり漢文の授業で
先生をたじろがせるなど数々の逸話が語られる中島敦であるが
一方で非常に多趣味であったことも語られ旅行や音楽鑑賞
さらには浅草レビュー小屋の踊り子を立ち上げ台湾興行を企画していた
という話もある。
そんな中島敦が16歳の頃、将来フランスに行ってみたいと思って
いた事が綴られているのがこの十年である。
芸術性の高い作品を執筆することで知られる中島敦だが、その内面
を垣間見ることのできる作品でもある。
中島敦(なかじま・あつし)
昭和時代前期の小説家。1909年東京生れ。東大国文科卒。
祖父は漢学者中島撫山、伯父にも漢学者が多く、父は中学の漢文教師。
1933年横浜高等女学校の教師となり、かたわら作家を志して習作にはげんだ。
持病の喘息悪化のため、転地療養を兼ねて41年パラオの南洋庁に赴任する。
唐代の伝奇「人虎伝」を素材にした「山月記」が深田久弥の推挽で42年2月の「文学界」に掲載され文壇にデビュー。同年5月発表の《光と風と夢》も好評で以後創作に専念。
パラオ南洋庁書記の職を辞して作家生活に入ろうとしたが、同年12月持病の喘息のために夭折した。代表作に「李陵(りりょう)」「弟子」「光と風と夢」など。