



転換期の今、昭和の歴史を振り返る
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ノンフィクション作家が歴史を実証的に分析した上で出した、、天皇制存続の意義とは?保阪正康氏は昭和史に焦点を当て、事件や人物などを題材にノンフィクション、評論、評伝、小説などで活躍している。今回、保坂氏は、昭和時代の「62年間と2週間」は20世紀の3分の2に相当し「昭和の時代を振り返ることは20世紀を考えることでもある」との認識の下、昭和時代を3期に分けて検証した。前期は昭和の初めから第2次大戦終結まで、中期は米国中心の占領時代、それ以降を後期と位置づける。その上で昭和時代32人の首相の中で特筆すべき首相として前期は東條英機、中期は吉田茂、後期は田中角栄の3人を挙げた。東條は軍国主義を主導し、吉田は占領下で日本再建の基礎固め、田中は物量・経済を具現化し人間の欲望を政治化したと論評し、それぞれの時代の象徴とした。3人の首相の共通点は「獄中生活」を体験したこと。また昭和史をみるとき「常にアメリカの影がある」と指摘。1926〜1989年の昭和時代はアメリカの時代でもあったと分析し、アメリカの政治的社会的エネルギーなどとどう向き合うか昭和史の大きなテーマと見る。昭和天皇の歴史観や分析は記録や側近の証言などを踏まえて実に詳しい。戦前は明治天皇以来の君主制下の軍事主導体制の選択が国民を幸せにすると考え、戦後は君主制下の民主主義体制への移行を模索したと分析。特に戦後は戦争に対する「強い自省の念が伺える」という。それを受け平成天皇は民主主義下における天皇制を模索、そして皇太子はグローバル化の中での天皇のあり方を模索していると推測する。その上で日本の天皇制存続の意義を説いた